長崎県弁護士会

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 警察庁は、2007年(平成19年)9月、「少年警察活動規則の一部を改正する規則」案(以下「規則案」という。)を公表した。規則案は第27条、第28条において、少年の性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあることを具体的に明らかにするための警察職員による「ぐ犯調査」の権限の規定を新設しようとしている。

 「ぐ犯調査」については、本年の少年法の「改正」過程でも問題になり、警察職員のぐ犯調査権限の及ぶ範囲が不明確であり、ぐ犯調査にあたる警察職員の主観によって対象の範囲が過度に拡大するのではないかとの懸念から、国会での法案修正により「ぐ犯調査」の規定が削除された。当会においても修正案によるぐ犯調査の権限規定の削除を支持する内容の声明を発したところである。

 しかるに、今回の規則案は、国会において「改正」少年法案から削除された警察職員によるぐ犯少年に対する調査権限を、かかる立法経緯を無視して復活させようとするものである。

 国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である(憲法41条)。民主主義国家では、法の支配が貫徹される必要があり、すべての行政機関の権限行使は、国会が定める法に基づいて行われるのが大原則である。とりわけ、警察職員による捜査・調査は、刑罰や保護処分という重大な不利益処分の前提手続であるから、憲法31条以下で適正手続きの遵守が強く求められている。そのような観点からも警察庁が、憲法および立法経緯を無視した規則を制定することは許されないのであって、今回の規則案は、違憲・違法のものと言わざるを得ない。

 よって、当会は、規則案における警察職員のぐ犯調査規定の新設に反対するものである。

 

2007(平成19)年10月16日

長崎県弁護士会
会長 山下俊夫
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