長崎県弁護士会

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 現在、司法修習生の給費制について、国の厳しい財政状況を背景として、廃止あるいは貸与制に切り替えるとの議論がなされている。

 この問題について、当弁護士会は、昨年10月20日、司法修習生の給費制維持を求める声明を発表した。

 ところが、その後も、財務省の財政制度審議会の「平成16年度予算の編成等に関する建議」(平成15年11月26日)の中で、早期に給費制を廃止し貸与制への切り替えを行うことが提言され、さらに、法曹養成検討会(平成16年5月18日)では、仮に貸与制に移行した場合の制度設計に関して諸論点が議論され、次回6月15日の同検討会においては、大勢としては貸与制への移行に賛成という前提で、座長作成の意見整理案の検討が予定されるなど、給費制廃止の動きが強まっている。

 しかし、司法修習生の給費制は、その生活を保障することによって、修習生を修習に専念させることを目的として、現行司法修習制度と不可分一体のものとして採用されてきた極めて重要な制度である。これにより法曹資格は貧富の差を問わず広く開かれた門戸とされ、これまで多種多様な人材が、裁判官、検察官、弁護士に輩出され、社会正義の実現に大きく寄与してきたのである。

 近時の司法改革の中で、法曹資格を得るには、司法修習生となる前に法科大学院に2年ないし3年在学することが必要とされることとなり、すでに法曹となるための財政的負担は相当に増大している。

 これに加えて、さらに給費制まで廃止するならば、限られた者しか法曹となることはできず、やがて法曹は富裕層のみに偏重し、公平公正な裁判の実現にも影響を及ぼすことになりかねない。

 また、医師養成の分野において、研修医の生活を保障し、研修に専念できる環境を整えるために国費を支出するなどの動きがあるなか、司法修習生の給費制を廃止することは、こうした社会の動きに逆行し、質の高い法曹の養成を求める国民の要求にも反することとなる。

 よって、当弁護士会は、再度司法修習生に対する給費制を堅持することを強く求めるものである。

 

2004年(平成16年)6月7日

長崎県弁護士会
会長 國弘達夫
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