長崎県弁護士会

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 いわゆるヤミ金融対策法(貸金業の規制等に関する法律・出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律)が本年8月1日に公布され、9月1日よりその一部が既に施行されている。

 ヤミ金融は、返済に苦しむ債務者、自己破産者等の窮状につけ込み、出資法の上限金利を大きく超える違法な貸付を行い、債務者のみならず、何ら関係のない債務者の勤務先、子どもの学校、親類、知人、隣人等に対しても脅迫電話を繰り返し、債務者らを精神的に追い込み、違法な金銭請求を行う者たちである。ヤミ金融は、かかる行為により莫大な利益を獲得し、その一部は暴力団の資金源となっていることも明らかにされる一方で、債務者らは職を失い、家族は精神的に疲弊して崩壊し、ひいては自殺に追い込まれるという深刻な被害が生じている。このことは、昨今の報道でも広く知られているところである。

 当会は、2002年10月の九州弁護士会連合会の決議を受け、「ヤミ金融の貸付は公序良俗違反で無効であるから、受けた金員は不法原因給付となり返還を要しない」という原則のもと、ヤミ金融に対して、毅然とした態度で被害救済に当たっている。改正法施行によりこの原則がより強固なものとなったことを確認すると共に、違法なヤミ金融の活動に今度こそ終止符を打つため、改めて被害の実態調査を行い、精力的に被害救済を行っていく所存である。

 また、ヤミ金融の根絶のためには、関係諸機関の協力が不可欠であることから、改正法一部施行を契機として、関係諸機関に対しては、次の要望をする次第である。

 

  1. 警察・検察に対しては、ヤミ金融について、違法な高金利契約の取締りを引続き強化すると共に、無登録業者の広告行為についても徹底的に取り締まること。

     

  2. 貸金業の監督官庁(財務局・都道府県)に対しては、改正法及び悪質業者についての情報が、市民により広く正確に伝わるよう広報に努めると共に、貸金業の登録を受けながら出資法等の違反を行う業者の排除に集中的に取り組むこと。

     

  3. 全ての新聞社、雑誌出版社及び広告・ダイレクトメール製作業者に対しては、ヤミ金融の広告の掲載及び融資勧誘のダイレクトメールの作成を中止すること。

     

  4. そもそも共謀罪は、日本政府が批准した「越境組織犯罪防止条約」第5条を国内法化するための規定です。同条約3条は、条約の適用範囲として「性質上越境的であり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するもの」と規定しています。つまり、その対象範囲を例えばマフィアやテロ集団のような国際的な犯罪集団に限定しているのです。
    しかし、前記法案に規定された共謀罪において要件とされているのは、前記のとおり「団体性」と「組織性」だけです。この規定では、広く労働団体や市民団体やグループなどの行為が、共謀罪の捜査の対象となる可能性があります。これでは、同条約の目的を逸脱して一般国民の団体を対象にして、しかも組織犯罪集団が関与しない行為に対してまでも共謀罪を適用させようとするものであり、もはや同条約とは別個の新たな犯罪規定を新設させようとしているものであると言ったほうが正確であります。

     

2003年(平成15年)9月17日

長崎県弁護士会
会長 吉田良尚
ひまわり相談ネット

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