長崎県弁護士会

長崎県弁護士会

長崎市栄町1番25号長崎MSビル4F
095-824-3903
長崎市栄町1番25号長崎MSビル4F
095-824-3903

お問い合わせは上のボタンをタップしてください。

文字サイズ

  • 小小
  • 中中
  • 大大
MENU

 

長崎県弁護士会 会員 松尾茂利

 

 私は一昨年、佐世保市の包括外部監査人を務めました。その過程で、いじめ問題に関しての教育現場の課題であると感じたことを手短にお話ししたいと思います。「いじめ防止対策推進法」の欠落点です。

 

 その一は「(いじめ)情報の共有化システム」構築の欠如です。この情報の共有化とは、①ある一時点での関係者間での情報の共有化と、②時空間をまたいだところの情報の共有化を含むものです。

 

 ①は、いじめ問題発生時点において関係者間で必要・適切な範囲で情報を共有するもので、比較的イメージしやすいと思います。他方で②はイメージしがたいものといえます。例えば、児童生徒は小学校6年間、中学校3年間、高校3年間の合計12年間、いじめ被害に遭遇する危険性がありますが、小学校6年生時に発生したいじめの主原因が小学校3年時にあったということは一般にあり得ることです。そうすると小学校3年時の担任が得ていた情報を小学校6年時の担任に確実に伝える方策が必要といえます。しかし、このような情報の共有化システムをいじめ対策の重要な施策として採用している例を私は寡聞にして聞いたことがありません。もちろん責任感溢れる先生方において、個別にいじめ情報が引き継がれていることは私も承知するところです。

 

 しかし、教職員には転勤や退職が生じることとなり、その場合には必然的に情報の承継は遮断されることとなります。したがって、必要なのは人的なものに依拠することのない、情報の共有化(承継)を可能とする組織的なシステムの構築です。

 

 その二は、教育現場でのいじめ対策決定の権限と責任の明確化、そして記録の作成と保存ができていないということです。現実の教育現場においては、いじめに関する判断権者(=責任者)は学校毎にバラバラという状況が往々にあります。このような状況では誰がいじめ対策につき権限と責任を有するかが明確ではなく、過去のいじめの内容等を検討する場合にも、その当時のその学校のいじめに関する組織体制の調査から始めなければならなくなるという問題が生じます。

 

 この調査の際、記録化の手続が欠如していると、更なる重大問題と発展してしまうということも想定されます。私の監査の経験からすれば、過去のいじめ判断等に関する議事録は、大抵の場合、作成されていないか保管されていないというのが実情です。

 

 以上、本稿で指摘した点が改善されない限り「いじめ撲滅」という目的の達成はないものと考えます。私は監査を通じてその思いを強くしました。この2つの点については、法制化が望まれます。

 

(2018年10月14日 長崎新聞「ひまわり通信・県弁護士会からのメッセージ」より抜粋)

ひまわり相談ネット

イベント情報

11月
9
1:00 PM 檻の中のライオンin 長崎  ~今こ...
檻の中のライオンin 長崎  ~今こ...
11月 9 @ 1:00 PM
檻の中のライオンin 長崎  ~今こそ日本国憲法ばい!3~
 長崎県弁護士会は、例年、憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラムとして、シンポジウムや講演会を開催していますが、今年度はその第三弾として、広島弁護士会所属の楾大樹弁護士をお招きし、講演会「檻の中のライオンin長崎」を開催します。  楾 大樹(はんどう たいき)弁護士は、パペットを使って「ライオン=国家権力」「檻=憲法」に例えて、憲法をわかりやすく説明されることで評判で、2018年頃から爆発的に人気が出た方で、現在は、テレビや新聞にも多く出演されています。  国民主権の憲法ですから、国民が憲法を理解し、使いこなしていかなければなりません。しかし実際に、私たち国民は、憲法を十分に理解していると言えるでしょうか。  政治的な立場を超えて、みんなが知っておかなければならない最低限の知識を学び、憲法のことや政治のことを考えていきましょう。  入場は無料、事前申込は不要です(定員を超える場合は入場をお断りすることがあります)。  お気軽にご参加ください。     タイトル : 憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム 檻の中のライオンin 長崎 ~今こそ日本国憲法ばい!3~ 日 時 : 2019年11月9日(土)13時~16時 (開場12時30分) 場 所 : 長崎原爆資料館ホール(長崎市平野町7-8) 講 師 : 楾 大樹(はんどう たいき)弁護士 (広島弁護士会所属) 入場料 : 無料 主 催 : 長崎県弁護士会 共 催 : 日本弁護士連合会 後 援 : 九州弁護士会連合会 お問合せ : 長崎県弁護士会 電話095-824-3903
11月
16
2:00 PM シンポジウム 佐世保にカジノがや...
シンポジウム 佐世保にカジノがや...
11月 16 @ 2:00 PM – 5:00 PM
シンポジウム 佐世保にカジノがやってくる!? ~IR誘致について私たち市民が知っておくべきこと~
 長崎県弁護士会は、シンポジウム「佐世保にカジノがやってくる!?~IR誘致について私たち市民が知っておくべきこと~」を開催します。  長崎県は佐世保市へのIR誘致を積極的に進めています。これは地域の将来を左右する重要な施策となりうるものと言えます。そこで、IR整備法案に関し参議院で参考人として意見陳述をされた桜田照雄氏(阪南大学教授)をお招きして、経済効果をはじめとするカジノ・IRに関する各種トピックについての講演会を開催します。また、パネルディスカッションでは、カジノ問題を掘り下げます。  入場料は無料、事前申込は不要、定員130人になり次第締め切ります。     タイトル : シンポジウム 佐世保にカジノがやってくる!? ~IR誘致について私たち市民が知っておくべきこと~ 日 時 : 2019年(令和元年)11月16日(土)14時~17時(開場:13時30分) 場 所 : 中部地区公民館研修室(佐世保市光月町6-17) 第1部 : 基調講演  桜田照雄 氏  (阪南大学流通学部流通学科教授,経済学博士) 第2部 : パネルディスカッション  パネリスト  桜田照雄 氏  塩地陽介 氏(弁護士、宮崎県弁護士会所属)  山本了三 氏(カジノ誘致問題を考える市民の会) 入場料 : 無料(事前申し込み不要。定員130名になり次第締め切ります。) 主 催 : 長崎県弁護士会 共 催 : 日本弁護士連合会 後 援 : 九州弁護士会連合会 お問合せ : 長崎県弁護士会 電話095-824-3903
過去のイベントを見る