長崎県弁護士会

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  1.     新型コロナウィルス感染症の蔓延に伴う緊急事態宣言が一部地域で継続する中、2020年(令和2年)5月8日、政府は、検察庁法改正案を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案を衆議院において審議入りさせた。しかし、同法案は、国民世論、専門家らによる多数の反対に遭い、その結果、政府は、同月18日に、同法案の今国会での成立を断念することを決定し、次期国会での同法案の成立を目指すようである。
      
  2.     同法案は、国家公務員の定年を60歳から65歳に引き上げる国家公務員法改正法案など10本もの法案を束ねた一括法案として審議がなされ、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案も含んでいる。そして、検察庁法改正案は、全ての検察官の定年を65歳に段階的に引き上げる一方で、(検事総長を補佐する)最高検次長検事、高検検事長、地検検事正については、63歳に達した時点で当該役職を退き一般の検事に戻るという役職定年制度を採用しつつ、内閣又は法務大臣が「職務遂行上の特別の事情を勘案し」、「公務の運営に著しい支障が生ずる」と認めるときは、役職定年である63歳を超えて、さらには、65歳定年も超えて、当該職務で勤務させることができると定めている(検察庁法改正法案第9条第3項ないし第6項、第10条第2項、第22条第2項・第3項・第5項ないし第8項)
        検察官は、強大な捜査権を有し、起訴権限を独占する立場にあり、その権限は準司法的作用を有しており、犯罪の嫌疑があれば政治家をも捜査の対象とするため、政治的に中立公正でなければならない。当会は、内閣又は法務大臣の裁量にて役職延長や勤務延長というかたちでの恣意的な人事介入が行われることによって、不偏不党を貫いた職務遂行が求められる検察官の独立性が侵害されることを強く危惧する。「準司法官」である検察官の政治的中立性が脅かされれば、憲法の基本原則である三権分立を揺るがすおそれさえあり、到底看過できない。
        よって、当会としては、「全ての検察官の定年を一律に65歳まで延長すること」や「63歳の役職定年を設定すること」自体について反対するものではないが、「内閣又は法務大臣の裁量による役職延長や勤務延長」を認める部分については強く反対する。
       
  3.     また、政府は、本年2月7日に定年を迎えることになっていた東京高検検事長黒川弘務氏について、定年退官直前の本年1月31日に、その勤務を半年間延長するとの閣議決定を行った。そして、本年2月10日の衆議院予算委員会で、法務大臣は、検察官には国家公務員法第81条の2の定年退職の規定は適用されないが、同条を前提にした同法第81条の3による退職の特例としての勤務延長の規定は適用できると解釈したとして、本閣議決定は適法であると答弁した。
        しかし、本閣議決定は、特別法である検察庁法が一般法である国家公務員法の特例をなすことから、検察庁法に違反する。すなわち、検察庁法は、検察官の定年について「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と定め(検察庁法第22条)、国家公務員法との関係については、「検察庁法第15条、第18条乃至第20条及び第22条乃至第25条の規定は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)附則第13条の規定により、検察官の職務と責任の特殊性に基いて、同法の特例を定めたものとする。」と定めている(検察庁法32条の2)。当該規定は、検事の定年を定める検察庁法第22条が一般法である国家公務員法の特例をなすので、国家公務員法の適用を受けないことを定めたものである。したがって、本閣議決定は検察庁法に違反する。
        実際、1981年(昭和56年)に国家公務員法が改正され、国家公務員の定年とその延長の制度が導入されたが、同法案を審議した当時の衆議院内閣委員会で、人事院事務総局任用局長は、「今回の法案では、別に法律で定められている者を除くことになっている。検察官については、国家公務員法の定年延長を含む定年制は検察庁法により適用除外されている。」旨を答弁しており、本閣議決定まで30年近く、1981年(昭和56年)の答弁を否定する取扱いはなされてこなかった。
        このように、黒川弘務氏につき定年延長する旨の閣議決定は、検察庁法に違反する違法なものである。
          
  4.     当会は、検察庁法改正案のうち内閣又は法務大臣の裁量により役職延長・勤務延長を認める部分を政府が根本的に撤回し再度の審議に付さないこと及び東京高検検事長黒川弘務氏の違法な定年延長の閣議決定を撤回することを強く要求する。
        

以 上

2020年(令和2年)5月20日

長崎県弁護士会
会長 中 西 祥 之
ひまわり相談ネット

イベント情報

12月
5
9:30 AM 専門家による なんでも無料相談会
専門家による なんでも無料相談会
12月 5 @ 9:30 AM – 4:00 PM
 「専門家による なんでも無料相談会」を実施します。これは、長崎県内の8つの専門職団体(長崎県弁護士会、長崎県司法書士会、長崎県土地家屋調査士会、長崎県社会保険労務士会、九州北部税理士会長崎県地区連絡協議会、長崎県行政書士会、長崎県不動産鑑定士協会、長崎県中小企業診断士協会)が共催して、毎年この時期に行うものです。  土地問題、労働問題、税務問題、登記手続き、年金、成年後見、行政手続き、書類の書き方・申請方法、法律問題(多重債務、遺言・相続、離婚、交通事故、刑事事件、ほか)などの様々な問題について、それぞれの専門家がアドバイス致します。  「どこに、誰に相談すればいいかわからない」「書類の意味がわからない」「いろいろな専門家の意見を聞いてみたい」「こんなことを相談してもいいのだろうか」などとお悩みの方は、個人、法人を問わずお気軽にご相談願います。  相談料は無料です。   タイトル : 専門家による なんでも無料相談会 日 時 : 2020年12月5日(土)9時30分~16時 場 所 : メルカつきまち5階 会議室(長崎市築町3-18) 相談料 : 無料(相談時間は1件30分以内) 予 約 : 電話 095-824-3903(長崎県弁護士会) *予約受付は11月19日~12月1日、定員になり次第締切ります。 対応する専門家 : 弁護士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、税理士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士 主 催 : 長崎県弁護士会、長崎県司法書士会、長崎県土地家屋調査士会、 長崎県社会保険労務士会、九州北部税理士会長崎県地区連絡協議会、 長崎県行政書士会、長崎県不動産鑑定士協会、長崎県中小企業診断士協会 後 援 : 長崎県、長崎市 予約・お問合せ : 長崎県弁護士会 電話095-824-3903   ~新型コロナウイルス感染症拡大防止に関するご協力のお願い~ 当日、検温にご協力いただき、37.3℃以上の熱があるときは相談をお断りしますのでご了承願います。  
12月
9
4:00 PM 多重債務者相談強化キャンペーン20...
多重債務者相談強化キャンペーン20...
12月 9 @ 4:00 PM – 5:00 PM
 長崎県弁護士会は、「多重債務者相談強化キャンペーン」に共催し「弁護士による無料相談会」を実施します。  内閣府に設けられた「多重債務者対策本部」では、深刻な社会問題である多重債務問題を抜本的に解決するため、「多重債務者相談強化キャンペーン」を毎年実施していますが、今年は9月1日~12月31日のキャンペーン期間中、長崎県内のハローワークで、弁護士による多重債務に関する無料法律相談を実施します。ご相談は1人30分程度です。事前にお申込みをお願いします。   タイトル : 「多重債務者相談強化キャンペーン2020 弁護士による無料 相談会」 場所・日時 : ハローワーク長崎(長崎市宝栄町4-25)       10月14日(水)16時~17時 ハローワーク島原(島原市片町633)       10月28日(水)16時~17時 ハローワーク諫早(諫早市幸町4-8)       11月2日(月)16時~17時 ハローワーク佐世保(佐世保市稲荷町2-30)       12月9日(水)16時~17時 ハローワーク大村(大村市松並1-213-9)       12月28日(月)16時~17時 予 約 : 電話095-824-3903(長崎県弁護士会) ※定員になり次第締め切ります。 主 催 : 多重債務者対策本部、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本司法支援センター 共 催 : 長崎県弁護士会、長崎県司法書士会、長崎県  
12月
28
4:00 PM 多重債務者相談強化キャンペーン20...
多重債務者相談強化キャンペーン20...
12月 28 @ 4:00 PM – 5:00 PM
 長崎県弁護士会は、「多重債務者相談強化キャンペーン」に共催し「弁護士による無料相談会」を実施します。  内閣府に設けられた「多重債務者対策本部」では、深刻な社会問題である多重債務問題を抜本的に解決するため、「多重債務者相談強化キャンペーン」を毎年実施していますが、今年は9月1日~12月31日のキャンペーン期間中、長崎県内のハローワークで、弁護士による多重債務に関する無料法律相談を実施します。ご相談は1人30分程度です。事前にお申込みをお願いします。   タイトル : 「多重債務者相談強化キャンペーン2020 弁護士による無料 相談会」 場所・日時 : ハローワーク長崎(長崎市宝栄町4-25)       10月14日(水)16時~17時 ハローワーク島原(島原市片町633)       10月28日(水)16時~17時 ハローワーク諫早(諫早市幸町4-8)       11月2日(月)16時~17時 ハローワーク佐世保(佐世保市稲荷町2-30)       12月9日(水)16時~17時 ハローワーク大村(大村市松並1-213-9)       12月28日(月)16時~17時 予 約 : 電話095-824-3903(長崎県弁護士会) ※定員になり次第締め切ります。 主 催 : 多重債務者対策本部、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本司法支援センター 共 催 : 長崎県弁護士会、長崎県司法書士会、長崎県  
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