長崎県弁護士会

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 本年6月15日、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益等の規制等に関する法律の改正案(以下「共謀罪法案」といいます。)が参議院において、中間報告によって委員会における採決を省略する形で可決され、成立しました。

 

 当会においては、2017年(平成29年)2月14日付で、共謀罪法案に反対する声明を、同年5月31日付で、共謀罪法案の衆議院での可決に抗議する声明を発し、「その結合関係の基礎としての共同の目的が死刑若しくは無期若しくは長期4年以上の懲役若しくは禁固の刑が定められている罪等を実行することにある団体」などの定義自体が不明確であり罪刑法定主義に反すること、適用範囲が広範に過ぎること、思想良心の自由や表現の自由といった憲法上の権利の行使を萎縮させることになることなどの共謀罪法案の問題点を指摘してきました。

 

 しかしながら、二度にわたる会長声明で指摘した問題点が何ら解消されないまま共謀罪法案が成立してしまう事態に至りました。

 

 また、参議院においては、中間報告によって法務委員会における採決を省略する形で共謀罪法案は可決されました。国会法は、「特に必要があるとき」は、中間報告を求めることができ(同法56条の3第1項)、議院が「特に緊急を要すると認めたとき」は、議院の本会議において審議することができる(同条第2項)と定めていますが、共謀罪法案について、中間報告を求める必要性や本会議において審議する緊急性があったとは考えられません。

 

 問題点が多く、人権侵害の危険性が高い共謀罪法案について、法務委員会の採決を「省略」したことは、議会制民主主義の否定につながりかねません。問題点が多い法案こそ、十分な審議を尽くし、国民の理解を得る努力を行うことが、議会に求められている役割なのではないでしょうか。

 

 当会は、共謀罪法案が成立したことに強く抗議するとともに、憲法に違反するおそれの大きい同法の廃止を強く求めます。また、同法が廃止されるまでの間、決して同法が捜査機関に濫用されることのないように、刑事弁護等の活動を通じながら、同法の適用状況を厳しく監視していきます。

 

2017年(平成29年)7月10日

長崎県弁護士会
会長 川 添   志
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